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きらり あっとほーむ からのお知らせ

【指導員コラム】立場ではなく

当時年長のとても質問好きの男の子がいました。

彼の支援に入る日はとても楽しみで、「今日はどんな質問が来るんだろう」と、毎回ワクワクしていました。


お子さんとの問答はいつも真剣勝負。「今はそんなことはいいから、先を進めますよ!」なんて言ったら、「あ、先生、ごまかした。きっと答えられないんだ。」と受け取られる場合もありますから、指導員というよりも大人の名に懸けて、錦織圭のバックハンド並みに鮮やかにリターンしなければなりません(笑)。


ある日、「先生、安いってどういうこと~?」と男の子から質問がありました。


一瞬ウッと詰まった後、「お金を少ししか使わなくて済むことかな。」と答えた私に対して、彼は「たくさん買えるってこと?」と即座に返してきました。


これ以上にクリアな説明を私は知りません。


もしかして最初からこのことを確認したくて、私に質問してきたのかもしれないと、後になってから気が付きました。


「社会の仕組みを教えてあげよう」と考えた私の未熟さを、彼は教えてくれました。聞かれたことに対して、ひとりの主婦としての感覚で答えれば良かったのです。だって、スーパーで半額のシールを見かけたら、あれもこれもと、ついたくさん買ってしまっていますからね(笑)

大人の社会では立場で物事を考えることが当たり前になってしまって、「指導員として、大人としてどう答えればいいんだろう?」と考えて、私は一瞬詰まったのですが、そんなことは全く必要ないことでした。


お子さんは不意を突いて物事の真理をズバッと突いてきます。それが図星だったりすると居たたまれなくなって、「なにバカなこと言ってるの!」と取り合わずに済ましてしまいがちですが、そういう時、「そうだね、○○君の言う通りかも。」と受け入れることができたら、大人も一歩成長できるのかなあと考えた出来事でした。


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