突然ですが、みなさん、ワーキングメモリという言葉をご存知ですか?
ワーキングメモリとは、短期記憶としてとらえられることが多いですが、実際はもう少し意味が含まっていて、記憶した情報をもとに、行動をする能力のことです。
そのため、別名作業記憶とも呼ばれます。
このワーキングメモリが弱いと、板書を書き写すのが苦手だったり、指示の通りに行動するのが難しいことに繋がってしまいます。
あなたのお子様は、
✅板書を書き写すのが苦手ではないでしょうか?
✅指示されてから行動を正確にすることが出来ますか?
✅決められたルール通りに遊んだり出来ますか?
もし、こういったことが苦手ならば、もしかするとワーキングメモリがまだ弱いのかもしれません。
ですから、今回は、このワーキングメモリを強くする方法の中で簡単に出来、教室で取り組んでいる活動などをご紹介いたします。
〇クラ・ゼミでの取り組み
これを読んでご理解いただけるかと思いますが、ワーキングメモリは多くの活動に関わる、とても重要な能力なのです。
それでは、ワーキングメモリを伸ばす活動をご紹介していきます。
本の音読
これは最近の研究で言われ始めたことなので、まだよく分かっていない部分もありますが、
音読は万能で、ワーキングメモリを育てることにも効果があるということです。
音読は脳の多くの部位を使うためです。
・目で見てその情報を受け取り、読み上げる。
・読み上げた情報の意味を理解する。
何気ない行動に見えますが、いずれも、
・見た文字(視覚情報)を瞬時に使う。
・聞いた声(聴覚情報)を瞬時に使う。
これだけで、脳の多くの部位を使うのです。
そのため、絵本の音読はワーキングメモリを育てるのに有効であると言われるのです。
聞き取りワーク
これは、定番中の定番として行っています。
教材もワーキングメモリを伸ばすことを目的としたものです。
指導員が読み上げた文章をもとに、問題に答えていきます。
年齢別で難易度も分けられているので、お子様の発達段階に合わせてトレーニング出来ます。
板書練習
指導員がホワイトボードに書いた文字を書き写します。
時々こういった課題もやってもらっています。
また、単に見たものを書き写すのもモチロン大事ですが、例えば、文字ではなく絵を写すなど面白くも出来ますし、
少し話はそれますが、書くのではなく動画を見本にして工作するなど、色々応用が効きます。
何故、板書でワーキングメモリという能力が必要なのかというと、見た情報をノートに書き写す、
つまり、視覚情報をもとにして文字を書くことが必要だからです。
ワーキングメモリが弱いと、何度も何度も板書とノートをいったりきたりすることになり、書き写すのが遅くなると、それが出来ないまま黒板を消されてしまうことになります。
そして、それを言い出すことが出来なければ、書いていない部分がどんどん溜まっていってしまうのです。
こういった活動をすることは、単に板書の練習だけではなく、ワーキングメモリをそのまま鍛えることにも繋がります。
絵探し
見つけてほしいと指定されたものを、絵の中から探します。
絵本であれば、『ミッケ!』などがそうですね。
たったこれだけの作業なのですが、得た聴覚情報(または視覚情報)をもとに探す。
この活動になります。
実際に行うお子様にとっても、ガツガツの板書の練習のように勉強チックではなく、また、後に出てくるカルタや神経衰弱のように、
苦手意識のあるものを強要しないので、割とすんなりと活動に入っていくことが出来ます。
また、ご家庭で教材が用意できない場合は、今まで撮ってきた写真を使ってみてはいかがでしょうか?
写真を見ている時でも、クイズのように、「写真の中から~探してみて。」と言ってみると良いかもしれませんね。
カルタ・神経衰弱
たかがカルタ・神経衰弱と思われるかもしれませんが、これは、かなり高度な遊びです。
実際には、ワーキングメモリの弱いお子様は、あまりこの遊びを好まないかもしれません。
しかし、こういった普段何気なく行っている遊びが、実は脳の発達に大きく関わっていることをお伝えしたくてご紹介しました。
楽しめるお子様には是非、お勧めしたい遊びです。
また、カードの枚数を減らすなど、ハードルを下げてみると活動に入り易いかも知れません。
〇その他のちょっとした工夫
その他ちょっとした工夫で、そのお子様に合わせた遊びをすることが出来ます。
遊びを作るコツは、得た情報を活用する
これだけです。
具体的な例だと、しりとりを最初から順番に言っていくというのはいかがでしょうか。
①ウマ→②ウマ、まり→③ウマ、まり、リス、、、のような感じです。
工夫次第で既に知っている遊びが、ワーキングメモリを強くするトレーニングになります。
〇おわりに
いかがでしょうか。
ワーキングメモリは単に記憶や行動を司る能力ではなく、会話などのコミュニケーション能力にも繋がっています。
相手の話したことを直ぐに忘れては、中々コミュニケーションが進展しませんからね。
だからといって、無理にでも訓練しようとするのは逆効果になってしまいますが、出来る限りで良いので、意識して向上を促してあげて下さい\(^o^)/
では今回はこの辺で。
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